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『“おぶりガード”してんなぁ……』って思って

interview with OBRIGARRD

『“おぶりガード”してんなぁ……』って思って

文 Atsushi Innami

Jun 01 ,2011


子どもをオンブして走るHAZUさんを見て
『“おぶりガード”してんなぁ……』って思って
 




東海ヒップホップ・シーンの重鎮プロデューサーとして、Twigyや故TOKONA-Xとともに数々の実積を打ち立ててきたHAZU。“最狂音術師”の異名を持つ彼が、変幻自在の感性を持つYANOMIとともに結成した音楽旅行ユニットがOBRIGARRDだ。ヒップホップのベースに、
世界各地の辺境音楽や民族音楽をミックスしまくった独自の世界観は最強のひとこと。ぶっちゃけ、こんな音は他のどこでも聴くことはできないはずだ。しかしそもそも、どうしてこんなことをはじめようとしたんだろう?

HAZU「もともと、一枚のアルバムで音の世界地図みたいなモノを作れたらおもしろいだろうなぁと思ってたんだけど、具体的になにかするわけでもなくボンヤリとアイデアだけ持ってて……。で、そんなタイミングで、俺らのレーベル『音韻王者REC.』のメンバー3人(HAZU, YANOMI,DJ UJI)でターンテーブル・ライヴをやるイヴェントがあって、そのライヴ用のセットを決める時のYANOMIのアイデアやらセンスがハンパなくて、このおじちゃんとなら『音の世界地図』が実現できるとお誘いさせていただきまんた。あ、HAZUです。よろしくすー!」

——本人は意識してないはずだけど、このユルさって実はOBRIGARRDの重要なポイントだと思う。ところで変わったユニット名だけど、名前の由来は?

HAZU「これはYANOMIが考えてくれたんすよー」
YANOMI「もちろんポルトガル語の『ありがとう』って意味が大前提なんすけど、裏の大きな意味は"オブリ"です。ある野外イヴェントで、HAZUさんが子どもをオンブしてアッチコッチ走り回ってたんですよ。そのオブリながら進んでる姿を見て『あー、おぶってガードしてんなぁ……』って思って、オレもちょうど子どもが小さかったんで、速攻、OBRIGARRDにしました。"オブリながら進んでく" ところがポイントです。フロアの気持ちもオブっていきたいし(笑)。つづりの違いは、正しいつづりを知らなかったんで……ってか調べずにこれにしました(編集部注:正しくはOBRIGARD)。そんな"R"な男2人組のユニットです」

——……素晴らしいアバウトさ。きっとそれも、オブリワールド。しかしふたりとも、いいお父さんなんだろうな。それはそうと、OBRIGARRDのなかでのふたりの役割分担ってどんな感じなんだろう? あのひとクセある音は、どうやって生み出されるんだろう?


HAZU「うーん、制作に関していえば、だいたいは持ち寄ったネタを俺がザックリ組んで細かい構成を2人で決めて行くパターンかな。役割としては別に決めてないんで」
YANOMI「僕はネタとアイデアをどんどんHAZUさんにぶつけてます」

——連携プレイがうまくいってんのね。では、OBRIGARRDとしてどんなことを表現したいと思ってる?

HAZU「うーん。やっぱ、『気づいたら世界中の音楽で踊ってた!』みたいな音楽旅行っていう新しいジャンルのパイオニアなんで、そこはきっちりキープしていきたいすね」
YANOMI「ネタありきの再構築です。やっぱり、足りないものがあるから足したくなるんで」

——待望のファースト・アルバム『OBRIWORLD』は、まさにその言葉どおりの仕上がりですな。とにかく聴いてて楽しいし、何度でも繰り返し聴きたくなるよ。ちょっとカタい質問だけど、コンセプトみたいなものはあるの?

YANOMI「ズバリ『音楽で世界遊泳』す! まだまだいろんな国のピース埋めていきます!」
HAZU「っす!」

——っす! それにしても、サンプリング・ソースのチョイスがめちゃめちゃエキセントリックですな。それって突き詰めればヒップホップの原点的感覚だとも思うんだけど、ネタ選びに際して意識していることはある?

HAZU「うん。単純に、聴いたことないような民族音楽ならなんでもイイってわけでもないんだよね。OBRIGARRDの場合、最終決定はリーダーのYANOMIのセンスに委ねとります。ここのセンスは本当に間違いないんで」
YANOMI「知らぬ間にリーダーになってるんすけど(汗)

——ネタ使いは斬新である反面、ちょっとしたユーモアを感じさせる気がしなくもない。そのあたりは意識してる?

HAZU「ユーモア? いやいや、まったく意識してないですよ! なんなんすかね? にじみ出ちゃってるんですかね?」
YANOMI「オブリは実はだいぶキャッチーだと思います(笑)。笑える部分はHAZUさん……」

——これからの活動のペースはどんな感じになるんだろう? やっぱり大々的にツアーとか回っちゃう?

HAZU「当初、ツアーを組んでガッチリ回ろうと思ってたんだけど、震災の影響で回りたくても回れない場所も出てきて……。それだったらツアーとしてじゃなく、呼んでくれる場所に、呼んでくれるタイミングで、あせらず全国回って行こうってことで。OBRIGARRDは流行り廃りの音楽じゃないんで、ゆっくり行きます。しかし!OBRIGARRDのライヴ、自分で言うのもナンですが、メチャクチャ楽しいですよ!」

——ライヴの楽しさは充分にイメージできるだけに、いつか必ずチェックしたいものだ。さて、アルバムが出たということでひとつ区切りがついたと思うのだけど今後の目標は?

HAZU「次のアルバムです。それまでの道のりとして、たくさんのアナログを切ろうと思っちょります」
YANOMI「です。あと、僕らDJなんでやっぱフロアのこともたまに考えたりしながら作ってるとこもあるんですけど、低ーいshitも用意してますんでそういうのも出していきたいです」

——もう次のことを考えてるなんて、さすがはクリエイターだわ。という話はともかく、前から聞きたかったことがあるのだ。彼らはヒップホップ黎明期から地元の名古屋で活動を続けているのだが、名古屋を離れない理由ってなんなんだろう? 東京に出ようとは思わなかったのかな?

HAZU「産まれ育った場所の仲間やメシ……。あえて離れる理由がないす。ま、実のところ、俺はすでに産まれ育った名古屋を離れちゃって岐阜に住んでますけどね」
YANOMI「店ありますから(名古屋のレコード店「デシベル」)基本離れないけど、動きます」

——なるほど、そりゃそうですな。では最後にひとつ質問だす。いま、音楽以外にハマッてるものってあるの?

HAZU「ナイショで店作りです。まだ詳しいことは言えないですが。僕のブログとかチェックしてくれてる人には解っちゃうかも(笑)。まだまだ先ですが、カフェやりたくて。あっ!言っちゃった!あくまで未定ですが。夢です」

OBRIGARRD



最狂音術師HAZUと、変幻自在のNU WORLDメーカーYANOMIによる音楽旅行ユニット。
HIPHOPをベースに、CDJ1000、サンプラーをこねくり回し、
世界の辺境音楽、民族音楽をミックスしまくり壁をどんどん壊していく
独特な世界観が全国各方面でウケている。
待望のファースト・アルバム『OBRIWORLD』が絶賛発売中!!

OBRIGARRD
『OBRIWORLD』
音韻王者.REC

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